保守的な日本の流通業界のなかで、免税店業界の最高峰を死守する韓国系企業「株式会社 永山」の張永軾(チャン・ヨンシク)代表取締役会長には、いつも“小さな巨人”という修飾語がつく。
世界で最も複雑な流通構造を持つ日本で、免税店業界の先頭に立つことができたのは、日本最大の電子商店街である秋葉原のど真ん中で、リヤカーに夢を乗せて走った張会長の努力と意志の結果であり、彼の明確な価値観と経営マインドから、成功の秘密がうかがえる。
今年の貿易の日には、朴槿惠大統領から大統領表彰が与えられた。 ㈱永山の張会長は、韓国の電子製品を中心とした各種韓国産商品を、日本の政府機関及び日本国内市場に流通し、国家経済に貢献した点をはじめ、世界韓人貿易協会の日本地域会長を歴任しながら、在外国民の経済地位向上に大きく寄与。東京韓国学校のPTA会長を務めながら、在外国民の教育機会の拡大及び教育環境の改善のために、積極努力した点などが韓国政府から認められ、今年の貿易の日には、大統領表彰まで受賞した。
張会長は事業だけではなく、在日同胞社会でも多くのボランティア活動に臨んでいる。世界韓人貿易協会の東京支会の会長を務め、任期中には協会の財政確立と次世代貿易スクールを活性化させ、現在は年間100人にのぼる次世代リーダーを輩出している。また在日本大韓民国民団及び関連韓人団体でも、活発にボランティア活動を行っている。
張会長が最近、重点的に力を入れている事業は電気自転車だ。既存の日本政府調達事業及び輸出入事業、インターネット販売、面前店などの事業は安定的に定着しており、5年前から開発に取り組んだ電気自転車の新規開発及び販売に力を入れた結果、今は価格と品質面で高い評価を受けている。
今後の目標としては、電気自転車を日本市場内に範囲を拡張させ、日本国内に自転車組立工場を建て、さらに向上された品質を持ついい製品を、日本の消費者に提供することだ。まして今後の5年計画には、電気自動車を生産することも。
張会長は「いい商品は必ず売れるはず。韓国商品は過去に比べてはるかに品質が向上された。5年前から為替による影響で輸出が増加し、生産も活発となって収益の投資がよく行われている。いい商品をより多く生産することができたため、世界市場でも競争力が強化した。今の日韓関係には厳しいところもあるが、肯定的に考えている」と展望した。